古き良き日本の美を現代に蘇らせた「星野神社」

望月重孝による伝統と革新の融合

伝統的な日本建築の美しさを現代の技術で再解釈した「星野神社」。そのデザインは、単なる建築を超え、文化の継承と革新の象徴となっています。

望月重孝が手掛ける「星野神社」は、横と縦の連続するラインが織りなす美しさが特徴です。金属を一切使用しない伝統的な日本の建築手法と、現代の構造解析や限界強度計算を組み合わせた革新的なアプローチにより、100年、200年と時を超えて残る建築物を創り出しました。

新たな拝殿のシンプルなデザインは、銅板屋根や切妻屋根、柱や梁、基礎の横縦のラインが、日本人の美意識を高いレベルで表現しています。この建築物は、建築技術を学び、管理し、利用する人々に開かれた場であり、知識を学ぶ場所としての機能も果たしています。

耐震性と台風にも強い石積み構造を採用し、木造建築の特徴である部材の組み合わせによる摩擦力と復元力に基づいた限界耐力設計法を用いて計画されました。伝統的な日本の建築手法と新しい技術を駆使した、まさに画期的な建築物です。

愛知県豊川市に位置するこの神社は、2019年8月にプロジェクトが開始され、2021年12月に完成しました。大学生や専門学校生、エンジニア、県や市の職員など、次世代を育成し、伝統技術を伝える訓練の場として利用され、多くのメディアに取り上げられています。

地元の木材を使用することで、伝統、文化、産業、環境に貢献し、地域のランドマークとなっています。望月重孝の創造性と研究に基づいたチャレンジは、伝統と革新を融合させることで、新たな日本の伝統建築を築き上げています。

2024年のA'カルチャラルヘリテージアンドカルチャーインダストリーデザインアワードで銀賞を受賞した「星野神社」は、その卓越した専門性と革新性で高く評価されています。この賞は、技術的特徴と芸術的技巧が際立つ、トップレベルの創造的で専門的に注目すべきデザインに与えられるものです。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Shigetaka Mohizuki
画像クレジット: Photographer, Yasuo Hagiwara
プロジェクトチームのメンバー: Shigetaka Mohizuki
プロジェクト名: Hoshino Jinja
プロジェクトのクライアント: Mochizuki Corporation


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